NOeSIS03-歌う影の戯曲-
過ぎ去った日々は少年の腕をすり抜け、悲痛な感情となって心を埋めていく。
背負った運命の重みが、彼らの心を脆く壊した。
少年の夢は結実し、同時に、青春が終わりを告げる。
それは忌まわしき血で綴られた、記憶と呪縛の物語・・・。
『ずっとずっと、待っていますよ――。お兄様――』
終業式が終わるのと同時に、千夜先輩がオカシクなった。
時雨のことを「お兄様」と呼び、自分を”椿妃”と名乗っている。
特徴的な深紅の瞳は色を失い、水のような青色へ変わってしまっていた。
時雨は戦時中のアルバムに残された千夜そっくりの少女椿妃の写真を発見する。確かに椿妃は、祖父の妹として実在していた。
だが、戦時中、彼女は命を落としていた。兄への執着心が幽霊となり、千夜に憑依したのだ。
椿妃は時雨の前世が兄で……そして、自分と巡り会うためにこの世に生まれ変わったと言った。
彼女の記憶をなぞるように、時雨は前世の記憶を思い出しはじめる。それは血塗られた、おぞましい過去だ。
椿妃との出会いを引き金に、街に異変が起こり始めた。
戦時中に焼かれた焼死体が起き上がり、椿妃を求めて歩きはじめる。
どうして椿妃は死んだのか? 前世の二人に、何があったのか?
すべての結末を確認するため、時雨は自身に備わる力-noesis-を使用する。
時雨は前世の記憶を取り戻し、千夜を目覚めさせることができるのか――。
想玩 | 玩过 | 在玩 | 搁置 | 抛弃 |
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