地球防衛軍
のどかな富士山麓の村祭りの夜、地中から炎が噴出するという奇怪な山火事が発生し、天体物理学者の白石亮一が失踪する。白石の同僚で親しい友人であった渥美譲治は残された白石の論文「ミステロイドの研究」を安達賢治郎博士に届けるが、その内容は途中で終わっていた。まもなく、白石が住んでいた村に山崩れが起こったとの報告を受け、調査に向かった渥美の前に巨大な怪ロボット・モゲラが出現する。火炎放射器や機関銃、ロケット砲の攻撃すらものともせず村落を次々に破壊するモゲラを、出動した防衛隊は鉄橋ごと爆破するという手段で、ようやくその進行を止める。
ここに至り、モゲラが白石の報告書にある異星文明の仕業と推測した安達博士は報告書を公表し、富士五湖で円盤状の飛行物体が頻繁に目撃されていたことから富士山麓へ調査団が派遣されるが、そこに突如として巨大なドーム状の物体が出現した。巨大ドームの主はミステリアンと名乗り、調査団の代表5名をドーム内に招き入れた。ミステリアンは調査団に対し、ドームを中心に半径3キロメートルの土地の割譲と地球人女性との結婚の自由を要求する。5千年前に母星のミステロイドを核戦争で失ったミステリアンは、宇宙を放浪した末、地球を訪れたのだった。
すでに数人の女性を拉致し、地球側の出方次第では攻撃も辞さないというミステリアンの要求に疑惑を感じ、これを拒否した防衛隊は通常兵器を中核とした戦力、野戦砲・戦車隊・ジェット戦闘機で猛攻を浴びせるが、要塞と化したミステリアンドームにはまったく効かず、ドームから発せられた熱光線の反撃で防衛軍は壊滅的な打撃を受け、撃退される。惨敗に頭を痛める一同のもとへ、科学戦闘班から新兵器・電子砲の設計図が持ち込まれる。
一方、緒戦の勝利を境にミステリアンの活動は目立っていき、東京上空に円盤を飛ばして「我々は戦いを好まない」と市民に呼びかける。その頃、渥美の見ていたテレビ画面に行方不明になっていた白石が突如現れる。ミステリアンに寝返っていた白石は、対話を試みるリチャードソン博士やインメルマン博士に「勝つのは、地球人でもミステリアンでもなく科学だ」と言い放ち、リチャードソン博士は「それでも我々は戦わなければならない」と言い返す。諸外国の政治家および軍人は東京でミステリアン対策会議を開催し、決戦を富士山麓にて行うことを決意する。
通常兵器ではまったく歯が立たないミステリアンに対し、諸外国からの援助で、空中戦艦α号、β号、そして長距離からのオネストジョンによる攻撃が決定される。後方のα号の指揮下で前線に出たβ号はナパーム弾による高熱攻撃をドームに試みるが、熱光線攻撃で粉砕される。さらに、ミステリアンは土地の要求を半径120キロメートルに拡大したうえ、女性たちを次々と誘拐し始め、白石の妹・江津子と恋人の広子も誘拐されてしまう。
焦燥に満ちた危機の中、ミステリアンの熱光線に耐えるマーカライトと、それを応用した超巨大パラボラ戦車・マーカライトファープとマーカライト塗装を施したα号といった対抗手段が、防衛軍側にようやく登場する。機動力に欠けるマーカライトファープの欠点を補うため、専用輸送ロケットマーカライトジャイロが投入配備され、決戦の準備が着々と整えられるが、マーカライトの効力は75分までと限界があるうえ、ドームへ決定的な打撃を与えられる性能を持つ電子砲は未完成であった。
地球軍の3度目の総攻撃が始まった。ジャイロから投下された新兵器マーカライトファープは期待通りの性能を発揮し、ドームの光線に耐えながら距離を詰め、ドームにダメージを与えていく。ミステリアン統領は攻撃を中止せよと警告するが、防衛軍側は条件として地球からの撤退を要求し、激怒したミステリアンは報復手段として湖から濁流を発生させ、マーカライトの一部や付近の町を飲み込むという反撃に出る。だがその直後、ドームは一部機能が停止してしまう。実は渥美が江津子と広子を救うべく単独でドームに潜入し、ミステリアンから銃を奪ってドームの装置を破壊していたのだ。
渥美はすぐさまミステリアンに捕らえられ、その中の1人に連行される。だがその先は脱出路であり、そこには江津子や広子らミステリアンに連行された女性たちが待っていた。連行したミステリアンが仮面を外すと、その正体は白石だった。白石は「俺は奴らにだまされていた。地球はミステリアンの悲劇を繰り返すな!」と告げると、渥美に安達博士宛の報告書の続きを渡し、再びドーム内へ消えて行った。
マーカライトの効力切れの間近、ついに完成した電子砲を搭載した第二β号が発進する。ミステリアンは反撃のために地中からモゲラを出動させるが、倒れてきたマーカライトに押し潰されて撃破された。戦場に到着した第二β号の電子砲攻撃が始まり、ついにドームは大爆発を起こす。その寸前に脱出した渥美たちの上空で、第二β号の砲撃はまだ続いていた。
電子砲の熱線が、逃げるミステリアンの円盤を次々に撃墜していく。それを見た安達博士は、「彼らは、永遠に宇宙の放浪者です。我々は決して彼らの轍を踏んではならない……」と呟くのだった。
想看 | 看过 | 在看 | 搁置 | 抛弃 |
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