MIND≒0
「最近、へんな扉の話を聞いたんだ…。
何もない場所に急に出てきて、
そこに入ると、どこか知らない世界に繋がってて…。」
「うん、うん、きいたことある!
あ、でも、あたしが聞いたのは、その扉から斧男が出てくるってウワサ。
大きな斧を持った男が、扉を開けた人を追いかけてきて…。
そして…
殺しちゃうんだって…。」
彩玉県天宮某所……
高校生である小鳥遊 慧は、同じ高校に通う幼なじみ。
神名 雫と帰宅中、血走った眼をした怪しげな男に出会う。
不穏な空気を察し、その場を離れる二人。
今度は、先生に叱られたのか、愚痴を言いながら歩いてくる
小学生の男の子に出会う。
雫は男の子に声を掛けるが、振り返った男の子の、
鋭い眼と暴言に言葉を失ってしまう。
しばらく呆然とする雫。
慧が雫に言葉を掛けたその時、悲鳴が上がる。
駆けつけた慧が目にしたのは、
背後に奇妙な影のようなものを背負った怪しい男と、
襲われ、怯える先ほどの小学生。
小学生をかばうクラスメイト・千葉 紗菜の姿だった。
周囲に青黒い霧が立ち込め、
慧の体はみるみるうちに闇に包まれ、引きずり込まれてしまう。
――落ちた先は、アンダーテイカーの店。
それは、現実であって現実ではない場所。
表と裏の世界だった。
一方、警察は急増する凶悪事件の対処に追われていた。
未発表最危険ドラッグ、通称「MIND(マインド)」。
使用者に幻覚・幻聴・攻撃的思想など、同時発症する悪魔のクスリ。
捜査員である鎌田警部補と渡辺刑事は
天宮公園付近に「MIND」所持者がいるとの情報を得て、現場に向かっていた。
次々と起こるMIND常習者による事件。
その犯行はどれも衝動的で、不可思議な物ばかり…。
鎌田の勘は、これがただの薬による単純な犯罪ではないと告げていた。
「…気のせいだといいんだがな…。
――人々の知らないところで、
なにかが始まろうとしていた。――
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